毎年5月になると、自動車税の通知が届きます。

先日、お付き合いのある社長からこんな相談を受けました。「社用車の自動車税、ずっと個人の口座から払ってきたんだけど、これって経費にできるの?」

この質問、実は毎年この時期にとても多く聞きます。答えは「できます。ただし、1つだけ条件があります」。

自動車税が全額経費になるシンプルな仕組み

法人が事業に使う車の費用は、原則として全額損金計上できます。ガソリン代も、車検代も、保険料も、そして自動車税も。

ただし、これには前提条件があります。車検証の「所有者」欄に、会社名が入っていること。これだけです。

法人名義で所有またはリース契約している車であれば、自動車税は全額経費になります。それに加えて、業務に使っている記録(走行日誌や業務メモなど)を残しておくと、税務調査が来たときも安心です。実際に業務で使っているなら、記録を残すこと自体は難しくないはずです。

名義が個人のままだと、どうなる?

ここが多くの社長が見落としているポイントです。

「社長の個人名義の車を、仕事でも使っている」というケースは珍しくありません。でも残念ながら、個人名義の車は業務で使っていても、自動車税を法人経費として落とすことができません。

個人から会社への賃借料という形で一部を経費処理できる場合もありますが、全額損金にはなりません。「社用車のつもり」でも名義が個人のままなら、税務上は個人の財産なのです。この点は、意外と見落とされています。

3,000cc超の高級車なら年7万円が丸ごと経費に

自動車税は排気量によって金額が変わります。参考までに目安を見てみましょう。

排気量年間自動車税(目安)
2,000cc以下36,000円
3,000cc以下50,000円
3,500cc以下57,000円
4,500cc以下70,000円
6,000cc以下87,000円

高級セダンや大型SUVに乗っている社長は、年間7〜9万円の自動車税を払っています。これが10年続くと70〜90万円です。

法人名義に切り替えるだけで、この全額が経費になります。名義変更にかかる費用を考えても、長い目で見れば十分に元が取れる話です。

名義変更のタイミングはいつがいい?

よく聞かれるのが「いつ変えればいいのか」という点です。

正直なところ、気づいたときが一番早いです。名義変更は陸運局での手続きが必要ですが、費用は登録代行を頼んでも数万円程度で済みます。それで毎年の自動車税が全額経費になるなら、費用対効果は明らかです。

リース車の場合はリース会社との契約が法人名義になっているかを確認するだけです。新たに社用車を導入するなら、最初から法人名義で契約することを忘れずに。

今すぐ車検証を1枚確認してください

今日すぐできることが1つあります。車の車検証を引っ張り出して、所有者欄を確認することです。

会社名が書いてあれば、自動車税はすでに経費で落とせています。社長個人の名前が書いてあるなら、今期中に名義変更かリース切り替えを検討する価値があります。

5月は自動車税の通知が届く月です。「また個人口座から払ってしまった」と気づいたなら、今年を最後にしましょう。毎年5〜7万円が丸ごと経費になるかどうか、車検証1枚で変わる話ですから、ぜひ今すぐ確認してみてください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な税務判断は税理士にご相談ください。