毎年6月になると、住民税の特別徴収通知書が届きます。封を開けてため息をついている社長さんは、きっと少なくないはずです。

先日、年商3億円ほどの飲食業を営む社長からこんな話を聞きました。「住民税の通知を見るたびに気が重くなる。でも何もできないと思っていた」と。話を聞いてみると、小規模企業共済もiDeCoも未加入でした。

住民税は「所得の10%」という現実

住民税は、おおよそ課税所得の10%が課税されます。役員報酬が年収1,000万円の社長であれば、住民税だけで約100万円前後になるケースも珍しくありません。

所得税と合わせると、稼いだ分の半分近くが税金として消えていく——そんな感覚を持っている方も多いでしょう。この100万円という金額、少しでも合法的に減らせるとしたら?

小規模企業共済:積み立てながら節税できる

小規模企業共済は、中小企業の経営者や個人事業主のための退職金制度です。最大の特徴は、掛金の全額が所得控除になること。

月額の上限は7万円で、年間最大84万円を所得から差し引けます。課税所得1,000万円の社長なら、住民税(10%)だけで年間約8万4,000円の節税。所得税も含めると、年間20万円を超える節税効果になることもあります。

しかも掛金は将来の退職金として手元に戻ってきます。節税しながら老後の資産を積み立てられる、経営者にとって非常に使い勝手のいい制度です。

iDeCoを組み合わせると、効果がさらに増す

iDeCo(個人型確定拠出年金)も、掛金が全額所得控除になります。個人事業主なら月6万8,000円、会社役員の場合は加入している企業年金の状況によって異なりますが、月1万2,000円〜2万円程度が一般的な上限です。

小規模企業共済と組み合わせると、合計の所得控除額はさらに膨らみます。住民税だけで年10万円超が手元に残る計算になるケースも珍しくありません。

「10万円なんて大したことない」と感じるかもしれません。でも10年続ければ100万円、20年なら200万円です。使わないでいると、その分がそのまま税金として消えていきます。

なぜ使っていない社長が多いのか

「知ってはいるけど、手続きが面倒そうで」という声を本当によく聞きます。ところが実際には、小規模企業共済は中小機構のWebサイトから申込書を取り寄せ、窓口で手続きするだけ。iDeCoもネット証券であれば30分もあれば申込みが完了します。

一度設定してしまえば、あとは毎月自動で引き落とされるだけです。「面倒そう」というのは、やる前のイメージであることがほとんどです。

住民税通知が届いた今が、見直しのタイミング

6月に届く住民税の通知書は、ある意味で「1年分の節税できていない証明書」でもあります。「今年もこの金額か…」と思ったら、自分が小規模企業共済とiDeCoの両方を最大限に活用できているか、今すぐ確認してみてください。

まだどちらも未加入なら、今期中に始めることで来年の住民税通知の数字は確実に変わります。まず1つだけでも動き出してみることをおすすめします。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な税務判断は税理士にご相談ください。